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愛!勇気!元気!広げよう幸せの輪!

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大動脈炎症候群 (高安動脈炎)


大動脈炎症候群 (高安動脈炎)


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 大動脈炎症候群が高安動脈炎と呼称されるのは、1908年に最初の報告例が眼科医である高安右人によって発表さたことによる。このため国際的にはこの名称が最も知られているが、我が国では大動脈及びその第1次分枝を広く侵し、その病変の部位や広がりによって多彩な臨床所見を呈する疾患であることから大動脈炎症候群の名称も広く用いられている。
 若・中年の女子に好発し、大動脈及びその主要分枝や肺動脈に閉塞性、あるいは拡張性病変をきたす原因不明の非特異性血管炎である。
 最近の厚生省特定疾患難治性血管炎調査研究班の全国疫学調査ならびに受給者交付数から患者数はおよそ5,000例と推定される。性差はおよそ1:10で女性に多く、年齢分布では1973年から1975年までの第1回調査で20歳代が最も多かったに比べて、最近の調査では40歳代が最多となっている。この高齢化の傾向と発症年齢との差からは、大動脈炎症候群がきわめて慢性に経過することと、発症から長期を経た陳旧症例の増加をうかがわせる。しかし、これらの疫学調査からは年間の新規患者の発生数が減少しているかどうかは明らかにされていない。
 原因不明の非特異性血管炎である。その発症要因も不明であるが特定のHLA(human leucocyte antigen)が発症や病型あるいは予後に関連を持つことが疑われている。最近では患者の高年齢化傾向と陳旧病変の増加にともなって動脈硬化病変の合併が目立つようになり、鑑別が問題となっている。
 動脈閉塞による症状、動脈拡張よるものおよび炎症反応による全身症状に分けることができる。閉塞症状では大動脈弓部分枝閉塞による脳虚血症状や視力障害、上肢の乏血症状、腎動脈狭窄や大動脈縮窄症による高血圧、冠状動脈狭窄による狭心症が主たるものであり、拡張病変では動脈瘤形成やその破裂症状、上行大動脈拡張に続発する大動脈閉鎖不全症による心症状が主たるものである。
 炎症症状は発熱、易疲労感、血管痛などがある。これらの血管病変は多発性に発生する傾向があり、無症状に長期経過する症例から早期に種々の症状を合併して示す症例まで多彩である。

 内科療法は炎症の抑制と炎症による症状の軽減を目的としてステロイド療法が最も多く行われている。赤沈、CRPを指標とした炎症反応の強さと臨床症状に対応して投与量を加減しながら継続的あるいは間欠的に投与される。高血圧に対する降圧剤、うっ血性心不全に対する強心剤や利尿剤の投与、狭心症状に対する冠拡張剤など症状に応じた薬物療法が行われる。また血栓予防のための抗血小板剤、抗凝固剤が用いられることもある。
 外科治療は特定の血管病変に起因することが明らかな症状で、内科的治療が困難と考えられる症例に適応される。外科的治療の対象になる症例は全体の約20%である。現在では脳乏血症状に対する頸動脈再建術を必要とする症例は減少し、腎動脈狭窄、大動脈縮窄による高血圧やうっ血性心不全をきたした大動脈弁閉鎖不全また動脈瘤が主な手術対象病変となっている。

 一般にきわめて慢性の経過をとる疾患であり、多くの症例は長期の生存が得られる。
 予後を決定する最も重要な病変は腎動脈狭窄や大動脈縮窄症による高血圧、大動脈弁閉鎖不全によるうっ血性心不全および動脈瘤である。
 従って適切な内科治療と重症例に対する適切な外科的治療によって長期予後の改善が期待できる。


全国5000例 ×男性10% = 500人 × 外科手術20% = 10人

全国で推定10人のうちの1人・・・・・運が悪いのか良いのか?ヒデコサ


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